「機種変更先取りプログラム」に加入していて、そろそろ1年半が経過した人も出てきました。
この機種変更先取りプログラムに関しては「結局得なのか損なのか・・・」内容が複雑すぎてわからないという意見が多いキャンペーンです。 すでに加入済みで、でもよく内容が分かっていないという人も多いので、今回は複雑な説明を敢えて省いてポイントだけをまとめていきたいと思います。
最大7ヵ月分の旧機種残債を免除になる「機種変更先取りプログラム」とは
まずは「機種変更先取りプログラム」のポイントをまとめてみます。
- 掛け金300円を毎月払います。
- 1年半で機種変更できます。
- 残り最大7カ月分の残債は機種の下取りを条件に相殺します。
- 下取り機種の紛失、電源が入らないなどの場合には適用できません。
- 先取りの権利を使わずに機種変更する場合には、今まで支払った掛け金は全て戻ってきます。
- 機種変更時または機種変更前に先取りプログラムを解除すると掛け金は戻ってきません。
ここまで聞くと、ソフトバンクを使い続けていれば、1年半で機種変更してもいいですし、しなければ掛け金は戻ってくるという、デメリットの少ないキャンペーンに見えなくもありません。
ちなみに、この機種変更先取りプログラムの開始時期が2015年2月27日です。すでに1年半を経過するユーザーも出てきています。 「よし、iPhone 6も1年半使ったし、最新のiPhone 7へ機種変更しよう。」と思い立ってソフトバンクショップに駆け込んだユーザーもいるでしょう。
しかし、実際に駆け込んだ時に、もしも「先取りプログラムを適用しない方がお得です」と言われたら驚きませんか?場合によっては、実際に適用しない方がお得になる可能性があるのです。
せっかく300円の掛け金を払い続けたのに何故そのような事態になるのか、次は先取りプログラムのリスクとその対策について解説します。
下取りと機種変更先取りプログラムではどっちが得なのか?
iPhoneの本体価格は購入したiPhoneの種類、容量はもちろん、購入したタイミングや学割などのキャンペーンによっても変わってきます。
最新機種を購入する時の相場は10万円前後です。例えば、2017年1月現在のiPhone7の32GBの価格が88,080円、7か月分の残債を算出すると25,690円となります。iPhone7Plusの256GBの価格が126,000円、7か月分の残債を算出すると36,750円となります。先取りプログラムに加入しておけば、これだけの金額の値引きを受けられる計算になります。
ただし、iPhoneの先取りプログラムでの下取りの場合、通常の下取りキャンペーン(タダで機種変更キャンペーン)との併用ができません。この点が、このプログラムのおかしな話になる原因になっています。
「掛け金300円を払っているのだから、先取りの方がお得じゃないの?」と、思うかもしれません。実際、現在先取りプログラムで機種変更可能なタイミングになっているのがiPhone 6とiPhone 6Plus、iPhone 6sとiPhone 6sPlusです。
こちらも2017年1月現在の下取り価格を見てみます。
タダで機種変更キャンペーン | キャンペーン一覧 | キャンペーン | モバイル | ソフトバンク
上記を確認すると、iPhone6、iPhone6Plusは26,400円、iPhone6sは33,600円、iPhone6sPlusは36,000円となっています。この時点で、先取りでの残債の価格とあんまり変わらないのでは?と思うかもしれません。しかし、実際には通常の下取りの方がお得になるケースの方が多いのです。
機種変更先取りプログラムで損をするケース
先取りプログラムを利用して機種変更する場合、掛金の300円は戻ってきません。1年半加入するのであれば、5400円の掛け金を支払っている計算になります。
今回は細かい解説を省きますが、1年経った時点で機種変更した場合でも、前倒し手数料2,000円でしっかり回収しています。仮に最初から先取りに加入していなければ、5,400円を払う必要がありませんし、「タダで機種変更キャンペーン」で下取りに出せば、掛け金は戻ってきます。
掛け金の5,400円を考慮して考えると、iPhone 6sの下取り価格の33,600円に5,400円を足した、39,000円以上の残債免除でなければ、得をしない計算になります。では、本体価格いくらで購入した人が得をするのか、実際に計算した結果が133,700円でやっとトントンです。
iPhone 6s、そんなにしないですよ・・・
ちなみにiPhone 6の場合には、26,400円に5,400円を足した31,800円よりも、7か月分の残債が勝れば、先取りが得をする計算になります。その際の本体価格の境界線は109,030円程度です。これなら得をするケースも出てきますが、6の128GBや6Plusの64GBでやっとトントンといった所です。
このタイミングでiPhone 6や6Plusが対象となっているのは、「6sにしない人、またはMNP(乗り換え)などで16GBを購入した人」が多いのではないでしょうか。iPhoneの大容量を求める人ほど最新を求める傾向もあるので、6や6Plusで128GBを利用している人の多くは、とっくに2年が経過しています。
さらに問題なのが、残債最大7か月分無料という使い勝手の悪さです。
ぴったり7か月分残債が残ったタイミングで機種変更をしたとしても、下取りよりも損をするケースが多いのですが、残債6か月、5カ月しかない状態で機種変更をしたら先取りプログラムでは残債分しか値引きになりません。細かい所まで突っ込めば、その間の300円の掛け金も払う必要があります。
機種変更先取りプログラムで得をするための条件とは
こうしてみてみると、当初は損をしなく使い勝手がいいように見えたキャンペーンも、得をするには下記のような条件をいくつも突破しなければならない微妙なキャンペーンとなっているのが現状です。
- ぴったり7カ月前のタイミングで機種変更する
- iPhone 6またはiPhone 6Plusで大容量で購入している
- 学割や乗り換えによる本体値引きなしで購入している
さらに重要なポイントが1つあります。先取りも下取りも、回収端末の電源が入らないと適用不可です。
現在は画面が割れていても操作ができれば回収は可能ですが、こういった条件で先取りの方が優れているというわけでもありません。条件は同じです。そうなると、先取りの利点がありませんね。
先取りプログラム加入中のユーザーへ伝えたいこと
実際、あまり得をしないのではと考えてしまう「機種変更先取りプログラム」ですが、その原因はiPhoneの下取り価格の高さにあります。Androidの場合、下取り価格は高くはないので、先取りプログラムの方が得をします。1年半ごとにAndroidに変えるならば、お得感はあります。
また、すでに総務省から、下取り価格が高すぎる点については言及されているので、今後はiPhoneの下取り価格も下がっていくと可能性があります。今回はともかく、次回からはお得なキャンペーンとなる可能性は十分にあります。
しかし、ここまで聞いて先取りプログラムに入らなければよかったと思ったユーザーは、次の機種変更後に解約しましょう。途中でやめてしまうと掛け捨てになってしまいますが、機変後、全額払い戻しになった後にオプション解除をすれば、損失を最小限に抑えられます。
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