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今のスマホは4年縛り!?「半額サポート」の問題点が多すぎて意味が分からない人のために解説してみる。

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News / daliscar1

4/6の新聞1面に「携帯販売「4年縛り」調査へ」と大きな見出しがあって驚きました。4年縛りによる顧客の囲い込みについて公取委が調査する様です。

この4年縛り、ソフトバンクだと「半額サポート」という料金プランなのですが、当サイトでも問題として一度上げています。読売新聞の記事では、4年縛りによる囲い込みで格安SIM事業者との競争を阻害している点が問題のようです。

実際の調査は4回にわたって順次行われるようですが、その間も携帯を契約する人はいますし、後から4年縛りが問題だとなったとして、すでに半額サポートを利用している人はどうなるのでしょうか?

今回は4年縛りの何が問題なのかという点についての話です。

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4年縛りの原因「半額サポート」が問題になっている

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ちなみにショップなどで半額サポートの4年縛りしかないような説明や、他のお客がほとんど半額サポートを利用しているという説明を受けるかもしれません。

もちろん、半額サポートを利用しない2年分割もきちんと契約できますし、ショップスタッフこそ2年分割で契約している人が多いんじゃないかなと思っています。今回の記事を読まなくても、「2年分割も選択できる」と知っておいていただければ幸いです。

「半額サポートって何?」と思ったら、ぜひ読んでみてください。

ura-softbank.hatenablog.com

4年縛りの問題点とは何か?

Notes
Notes / sk8geek

4年縛りの問題点はいくつかあります。

  1. 実際は4年以上縛られる
  2. 格安SIMや他社への移行が難しくなる
  3. ソフトバンクを辞める時の違約金がかかりすぎる
  4. 想定できる様々なケースへの対応が不十分

1.実際は4年以上縛られる

4年縛りという言葉の根拠となるのが「4年分割」です。

半額サポートでは、通常2年間の分割を4年間で組みます。ただし、2年後に端末を下取りに出して機種変更をすれば、残った2年分の分割は免除となります。当然下取りをしない、他社に乗り換える(MNP)、解約などをすれば、残債が残ります。そのため、4年縛りとなりますが、よくよく考えると縛りは4年以上続く可能性が高いです。

半額サポートの条件として、次の機種変更時も半額サポートもしくは機種変更先取りプログラムに加入した上で機種変更する必要があります。

もしも、2年後に再度「半額サポート」で機種変更した場合、通算6年縛りになります。というより、半額サポートを使っている限り、半永久的に縛られます。

次のプランも指定されている点が問題で、もしも2年後に2年分割で機種変更をした場合、残債は免除になりません。一応、「機種変更先取りプログラム」に加入すれば2年分割でも機種変更が可能ですが、これを利用すれば4年縛りになります。

半額サポートで2年使って、それから「機種変更先取りプログラム」で機種変更すれば、2年で分割が終わります。通算4年で縛りが終わりますし、「機種変更先取りプログラム」はオプション(300円/月)なので、解除が可能です。機種変更時先取りプログラムに加入して、後から外してしまえば問題ないはずです。

ただし、問題なのは、「2年後にも機種変更先取りプログラムが存在しているか?」という点なんです。2年を待たずして機種変更先取りプログラムをソフトバンクが終了してしまうと、強制的に半額サポートに入るしかなくなります。先取りプログラムを無くしてしまう可能性はあると思っていますし、公取委にはここら辺の問題もしっかりと追及して欲しい所です。

分割の縛りは確かに4年ですが、次回のプランまで指定されている点で、縛りは4年にとどまりません。

2.格安SIMや他社への移行が難しくなる

公取委が問題視している点ですが、半額サポートに加入すると格安SIMへの移行が難しくなります。

昔のスマホでなければ、現在はSIMロック解除が簡単にできるようになりました。(SIMロック解除に詳しくなくても問題はありません。)要するに、今使っているソフトバンクのスマホを他社の回線契約で使用することです。

例えば、2年使ったiPhone 7をワイモバイルに変更すると、1年間1,980円で使えたりします。半額サポートを利用すると「2年後に解約すると端末代金の残債が半額残る」「機種変更時端末が回収される」という2つの問題があります。端末の半額って、今iPhoneは10万円前後しますから、5万円前後の残債が残ります。

当然、格安SIMへの切り替えは躊躇する人が多いと思います。

また、機種変更時に端末が回収されるので、これに格安SIMを差して使う方法もできません。今まで使っていた機種をサブ端末として格安SIMで使うこともできず、子供のスマホ用に格安SIMを差して使うこともできません。これって格安SIMを利用した様々な可能性も潰されてしまう話ですから、格安SIM事業者との競争を阻害しているという主張も間違ってないと思います。

3.ソフトバンクを辞める時の違約金がかかりすぎる

ソフトバンクを解約する時の違約金がいくらかかると思うでしょうか?多くの人の認識では1万円だと思います。

実際、2年契約の違約金が10,280円(税抜9,500円)なのですが、半額サポートを利用すると別途残債が残ります。半額サポートというと聞こえはいいかもしれませんが、残債も半額分かかります。4年分割で2年間の分割は半額かもしれませんが、月月割のサポートもしっかりと半額にされています。

仮にiPhone Xを契約した場合、2年後に解約すると残債だけで6~7万円とか平気でかかりますよ!?

もし、2年分割ならば、2年経った後に格安SIMでiPhone Xの月額料金が2,000円程度で使える可能性もあります。逆にソフトバンクが他社と比べて割高で、魅力的なプランがなかったとしても、辞める時にはかなりの違約金がかかります。2年後のどこの携帯会社がどんなプランを出しても、半額サポートを利用している人はソフトバンクしか選択肢がありません。

4.想定できる様々なケースへの対応が不十分

個人的な半額サポートの印象として、縛りが徹底している点と、やっつけ感があります。そもそもスマホの料金プランなんて、頻繁に変わります。

4年縛りが問題視されているというテーマですが、半額サポートができる2017年10月の4年前は2013年10月です。当時、スマ放題すらなかった時代です(スマ放題2014年6月開始)。Softbank 光すらなかった時代です(Softbank 光2015年3月開始))。機種で言うならiPhone 5sが発売されたタイミングです。

それだけ色々変わるのですから、4年縛りなんてリスクが非常に高いと思います。

ちなみに縛られている間に5G通信が開始しますが、仮にソフトバンクの5G通信が繋がらない、料金が高い、といった問題が起きても、半額サポートを利用している人はソフトバンクを使い続けないと多額の違約金が発生します。

その上で、半額サポートは様々な状況に対して、きちんとサポートが受けられるとは思えない点が問題です。

半額サポートを契約するリスクは他にもある

Point
Point / John Loo

1.紛失時の対応

以前の記事で、半額サポートが故障に対して違約金がかかる問題を挙げていますが、紛失してしまうと残債が残ります。

例えば、「iPhone 8が毎月560円安くなるけど紛失すると違約金がっつり取られるよ?」と、言われるとどうでしょうか?半額サポートは端末返却が条件(これって購入じゃなくて実質リースですよね?)なので、紛失してしまうと多額の残債が残ります。

同じ紛失でも1年後に紛失した場合、2年分割なら残債は5割ですが、4年分割なら残債7割5分です。

ura-softbank.hatenablog.com

2.死亡時の対応

半額サポートは残債が減りにくい料金プランです。

ずっとソフトバンクを続けていくなら半額(月月割も半額)で使えますが、携帯の契約は無限ではありません。人間いつかは死ぬものですが、死亡時の残債はどうなるのでしょうか?

死亡時の解約では違約金は免除になりますが、端末の分割支払金は免除になりません。もしかすると、すでに「半額サポートで家族が契約したが死亡してしまって残債がたくさん残った」というケースもあるのではないでしょうか?

分割購入ができない人はどうするのか?

半額サポートで端末購入した場合、次回の機種変更時には半額サポートもしくは先取りプログラムに加入が条件となります。

この場合、仮に機種変更の端末代金を一括購入した場合、残債は免除になりません。半額サポートも先取りプログラムも、分割契約が前提となっているためです。では、一括購入で機種変更した場合どうなるのか、それは端末代金が残債として残ります。

「一括購入しなければいい。」と、言えばそうなのですが、それだとずっとソフトバンクに縛られます。また、iPhone X発売時に、分割審査落ちがちょっと話題になっていたようですが、端末代金が10万円を超えると分割審査も厳しくなり、年収や家族構成、債務情報なども申告が必要になります。もし、分割審査に落ちてしまった場合、一括で端末を購入したとしても残債が残ります。

iPhone 8を半額サポートで購入した場合を例として考える

仮に、現在iPhone 8を半額サポート(4年分割)で機種変更しているとします。

それから、2年後にiPhone 11(機種名は架空のモノ)に機種変更できますが、iPhone 11購入時には半額サポートもしくは先取りプログラムに加入しなければいけません。これは、2年残った残債を免除する条件だからです。

しかし、半額サポートも先取りプログラムも、iPhone 11を分割購入しなければ加入のしようがありません。つまり、iPhone 8を半額サポートで購入した人は、iPhone 11を一括購入できなくなります。

ですが、iPhone 11に機種変更する際に分割審査が通らず、一括購入のみ可能だった場合、半額サポートも先取りプログラムも適用条件を満たせなくなるため、結果的には、iPhone 8の月月割がなくなり、iPhone 8の残債だけが残ってしまいます。

一度、半額サポートに入ってしまうと分割縛りから抜け出せなくなります。

2年後の機種変更時のプラン縛りがなければまだましなのですが、2年後も半額サポート強要となるとiPhone本体代金の半額以上の違約金がいつでもかかってきてしまいます。購入方法として一括が選べないというのは販売方法として適切な感じがしませんし、一括でなければ常にソフトバンクに縛られます。

また、機種変更でも分割の審査があり、分割審査に落ちてしまうとかなり厳しくなります。

  1. iPhone 11を一括で購入し、かつiPhone 8の2年分の分割も支払う
  2. iPhone 8を4年間使い続ける
  3. 中古のソフトバンクiPhoneを購入し、SIMを差し替えて使う

分割が通らないと①~③しか選択肢がないと思いますし、どれを選んでも半額サポートの恩恵がなくなります(分割の支払期間が4年間になるため)。 特に①のケースだと、残り2年の残債は月月割がありません。

ちなみにSIMフリー端末を探してきて使う場合、iPhone 8のSIMカードではなくSIMフリーのSIMカードに変更しなければ使いません。手続きとしては「持ち込み」となるので、iPhone 8の月月割がなくなり残債が残ります。

そもそも、端末を購入するにあたり、一括が許されないという縛りも問題があるように思います。車の購入でも普段の買い物でも、「分割じゃないといけない」なんて、ちょっと考えられませんよね?その上、分割審査落ちだった場合、半額サポートのお得感が全くなくなり、残債だけが残ります。

しかも、使っていた2年間の月月割のサポートは半額です。とんだ半額サポートですね、まさか月月割だけ半額だなんて。

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2年分割も選択できるじゃ許されないのでは?

Guatemala
Guatemala / nicksarebi

今回は「4年縛り(4年分割)」が問題視されていますが、ソフトバンクで機種変更(新規・MNPも含む)する場合、「2年分割」も選択可能です。

2年分割だから基本料金が高くなるようなことはないですし、そもそも4年縛り(4年分割)を選択しなければいい話なので、本来は独占禁止法に抵触しないのではないかと思います。4年縛りに問題があると思うなら2年分割にしればいいのですからね。

しかし、これだけ不測の事態に対応できない半額サポートで、契約時にデメリットについてショップ店員がきちんと説明できるでしょうか?私が現役だったら、とてもデメリットについて説明できる自信がありません。

時間も人員も有限ですし、全てのお客様が完璧な説明を求めているわけでもありません。半額サポートについて説明する時に、いちいち死亡時や一括購入時の残債の説明や、分割審査に落ちた場合の対応についてまで、全て話せるか??というと、さすがに現実的ではないと思います。

でも、半額サポートがプランとして存在する以上、それらのリスクについての説明も必要だとも思います。

プランは選択できるかもしれませんが、半額サポートを提供するなら、リスクや出来なくなることへの説明ができる体制も整えた上での「2年分割という選択肢もある」という主張であるべきだと思います。

ソフトバンク:半額サポート for iPhone

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