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2年縛りが年内に無くなるという大きな誤解

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2018年7月15日付けの日経記事にて、「携帯大手3社、2年縛りを是正、解約時に追加料金不要に」が掲載されました。

「解約時に追加料金不要に」なんて見出しがあれば、2年縛りの違約金が無くなると思うのも無理はありません。携帯大手3社、docomo、au、ソフトバンクが足並みを揃えて改善するそうですが、2年縛りが無くなるという話ではありません。

今回は「では、一体何が是正されたのか?」という話と「今回の是正の無意味さ。」についての話です。

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更新月が1ヶ月長くなるだけ

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2年縛りについては当サイトでも紹介したことがありますが、今の段階では2年契約した月から25~26ヶ月目の2ヶ月間が更新月となります。

今後の改定によって、この更新月のタイミングが24~26ヶ月目の3ヶ月間に是正されるというのが、今回の日経記事の内容です。もちろん26ヶ月目を超えたら、また約2年間は解約時に違約金がかかります。

要するに、今回の改定は「2年契約で24ヶ月目に解約できるようにするから、2年ピッタリでソフトバンク辞められるよ!」というだけの話なのです。

そもそも2年契約の何を問題視しているのか

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多くの人が考えていると思うのですが、「2年縛りはわかるけれど2年経ったらいつでも違約金無しで解約できるようにしてくれよ?」と私も思います。実際には、一応2年契約を結ぶという条件で基本料金が安くなりますし、2年契約がない通常プランも用意されています。

「自分で2年契約を選んで安く使っているのに、違約金について文句をいうのはおかしい」「文句があるなら格安SIMに移ればいい」

このような意見もありますが、この部分についてもちょっと問題があると思います。

まず、2年契約の内容についてきちんと説明できる一般利用者は極少数派だと思いますが、「通常契約と2年契約の違い」についてきちんと説明がなされているかどうかという点を無視して、「2年契約を選んでいる」という話はいかがなものかと思います。携帯の契約内容が難しいのであれば、「きちんと説明した上で契約させる」か「契約内容をシンプルでわかりやすくする」必要があると思います。

また、「2年縛りのない通常プランも選択できる」のは確かにそうなのですが、だから「2年契約によって利用者にも安くなるというメリットがある」という理屈にはならないと思います。

通常プランと2年契約のプランが選べるとしても、携帯業界は長い間大手3社の独占状態でした。

その3社がいつも横並びの料金プランを提示していたのであれば、そもそも「通常契約の料金プランが適正価格なのかどうか」という判断ができないと思います。通常の企業であればここに価格競争が起こって、適正価格に落ち着く所が、3社独占の横並びであれば、通常プランの料金なんて好きなように設定できてしまいます。

もちろん、現在は格安SIM利用者も増えているので、大手3社を使わない選択肢もあります。しかし、格安SIMに変えようにも2年縛りの違約金があるため、変えるのを躊躇う、もしくは諦めている人もいます。

総務省の言い分としては「2年縛りのせいで格安SIMへの移行がスムーズにいかないのではないか?」ということなので、2年縛りの是正を求めています。格安SIMが参入することで大手3社の携帯料金も競争で値下げする、という流れを求めているのに、縛りがあるせいでうまくいかない、だから2年縛りなんとかしてくれ、っていう話なんです。

24ヶ月目に解約できるメリットとは

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更新月が1ヶ月増えただけで何が変わるのか?と思うかもしれませんが、24ヶ月目に更新月が来ることによって、大手3社の携帯契約を2年ピッタリで解約できるようになります。 今までの2年契約の内容では、2年ピッタリに違約金無しで解約ができなかったのです。

更新月が25ヶ月目~26ヶ月目なので、24ヶ月で解約をすると違約金を取られてしまいます。 また、25ヶ月目で解約をすると違約金は取られませんが、1ヶ月分の通信料を取られてしまいます。ぴったり2年で解約するという観点で言えば、24ヶ月目を更新月とすることで、違約金も1ヶ月分の通信料金も払わずに解約ができるようになります。

ura-softbank.hatenablog.com

今回の是正が無意味になる理由

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「よーしこれで2年ピッタリに解約ができて、余計な通信量や違約金がかからなくなるぞ!総務省よくやった!」と思う人は少ないと思います。

やっぱり2年経ったらいつでも違約金無しで解約できるようにするのがいいとは思うのですが、何故かそっち方向にはいかないんですね。そもそも今回の是正で24ヶ月目が更新月になったとしても、追加料金無しで2年ピッタリに解約というわけにはいかないんです。

その理由が端末の分割支払金です。

大手3社の携帯端末の分割支払金は、2ヶ月目~25ヶ月目までの24回払いが主流でした。そもそも分割が初月からではないので、2年分割でも25ヶ月目まで端末代金を払う必要があります。端末代金について、ソフトバンクでは月月割のサポートが付くので、実際に全額負担するわけではありません。

ただし、それはソフトバンクを使い続けた場合の話であって、解約をすると、その月から月月割は無くなります。

もし、2年分割で端末購入した場合、24ヶ月目で解約をすると、24ヶ月目と25ヶ月目の2回分、端末の分割が残ります。この2ヶ月分は月月割のサポートが付かないので、丸々端末代金が負担になるわけです。ちなみに下取りキャンペーンを利用していた場合、下取りの値引きもなくなります。

端末の分割も終わって違約金無しで解約できるタイミングは26ヶ月となります。2年ピッタリで解約できるといってもあまり意味がないのです。また、現在は4年分割での契約者もかなり増えています。2年の更新月が1ヶ月長くなったとしても、分割が4年では全く意味がありません。

24ヶ月目から26ヶ月目まで更新月にするよりも、他にもっとした方がいいことがあると思いますが、この調子だと2年縛りがなくなるまでまだまだ時間がかかりそうです。

日本経済新聞:携帯大手3社、2年縛りを是正 解約時に追加料金不要に

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