元ショップ店員だけが知ってるソフトバンクの説明書

ソフトバンクで働いていた私が賢くお得に利用する方法をお伝えしています。

半額サポート for iPhoneはお得じゃない。4つの落とし穴を解説してみる。

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iPhone 8にiPhone Xと、新作iPhoneはどちらを選ぶかで話題になっているようですが、ソフトバンクでは高額なiPhoneが半額で購入できる「半額サポート for iPhone」が開始になりました。

ソフトバンクの料金プランは分かりにくいとよく言われていますが、「半額サポート for iPhone」も非常に分かりにくいです。問題点(デメリット)もあります。しかし、「半額サポート for iPhone」の存在を知らないソフトバンクユーザーがソフトバンクショップで機種変更する時には、判断材料のほとんどが店員からの説明によるものであり、その情報を基にその場でプランを決定しなければなりません。

それではあまりに不公平な感じがするので、今回は「半額サポート for iPhone」で損する可能性(デメリット)を考えてみました。

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半額サポート for iPhoneとは

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まずは、半額サポート for iPhoneが何なのかを理解してもらうために、できる限り簡潔に半額サポートを解説します。

半額サポート for iPhoneとは、iPhone 8、iPhone 8Plus、iPhone Xの購入時に、通常、端末代金を2年の分割購入にするところを、4年の分割購入に延長し、3年目(25ヶ月)以降に購入したiPhoneを下取りに出すことを条件に新たに機種変更するときは残りの残債が免除されるキャンペーンです。

iPhone 8(64GB):分割購入(24回) f:id:urasoftbank:20170919223726p:plain

例えば、iPhone 8(64GB)を従来通りの2年分割(24回)の機種変更すると、端末分割代金3,930円、月月割が-2,910円なので、実質負担金の1,120円の負担が2年間発生します。

iPhone 8(64GB):分割購入(48回) f:id:urasoftbank:20170919223947p:plain

しかし、半額サポート for iPhoneで購入する場合、4年分割(48回)になるので、分割1,965円、月月割も半額で1,405円なので、実質負担金は560円に下がります。

適用条件としては、データ定額に加入する事、この点はiPhoneユーザーであれば問題ないと思いますが、家族シェアの子回線は対象外ですので注意してください。また、25ヶ月目に指定機種に機種変更すること、機種変更後に端末を下取りに出すこと、その端末が下取り査定の条件を満たしていることとあります。

追記:現在は1年経過すれば2年分は免除になりました。例えば、1年半で機種変更した場合、半年分だけ残債が発生します。

適用条件

  • 対象機種を24ヵ月利用後、25ヵ月目以降に「半額サポート for iPhone 」の指定機種、または「機種変更先取りプログラム」の指定機種に機種変更すること。

追記:対象機種を12ヵ月間利用後、13ヵ月目以降24ヵ月目までに~と変更されました。

  • 機種変更後も「半額サポート for iPhone 」または「機種変更先取りプログラム」に加入すること。

  • 機種変更の翌月末までに加入時に購入した機種を回収、査定完了すること(当社指定の回収条件を満たしていること。回収した機種が査定条件を満たさなかった場合、故障時利用料として20,000円(不課税)、あんしん保証パック with AppleCare Services加入時:2,000円(不課税)のお支払いが必要です。ただし割賦残債務が20,000円以下の場合割賦残債務相当額を上限とします。)

故障で下取り条件を満たさない時には20,000円の支払いを求められますが、あんしん保証パック with AppleCare Servicesに加入していれば2,000円で済みます。

あんしん保証パックに加入していて、2年毎に機種変更するのであれば、一見お得に見えるかもしれません。しかし、このプランには落とし穴がいくつもあります。

最大半額には意味がある

Calculator and Money
Calculator and Money / Images_of_Money

分割支払金を2年支払った後の機種変更なら、確かに2年分の残債は免除になりますが、3年後に機種変更した場合はどうでしょうか。この場合、560円の実質負担金は3年分支払うので、半額にはなりません。免除されるのは2年分ではなく、あくまで残った残債が免除になるだけです。3年後に機種変更した場合、1/4しか免除になりません。

このプログラムでお得に機種変更するためには、ソフトバンク以外のキャリアでどれだけ魅力的な機種やプランが提供されていようと、新型iPhone発売のタイミングがずれていたとしても、25ヶ月後にソフトバンクのiPhoneに機種変更するしかありません。 

例えば、9/22にiPhone 8に機種変更した場合、20日締めなら2019年の10/21~11/20に機種変更しなければ半額にはなりません。もしも、その年の新作iPhoneの発売が9月であれば、1~2ヶ月待たないといけないですし、発売される時期が変わって、仮に3月発売なんてことになれば新型を諦めるか半額を諦めるかの2択を迫られます。

また、2年後に解約や他社へ乗り換えをしようものなら、iPhone 8の64GBでも1,965円×24回で47,160円の分割支払金が残ります。2年契約違約金の1万円が可愛く見えてしまいますね。

というわけで、1つ目の落とし穴は、機種変更タイミングの縛りとなります。

故障時は20,000円の意味

Stress
Stress / Andrew Imanaka

iPhoneの故障などで下取り基準を満たさない場合、あんしん保証パック with AppleCare Servicesに未加入時は20,000円の支払いを命じられます。2年間きちんと支払っていてもです。

iPhone 8(64GB)の場合、実質負担金560円×24回で、最大13,440円が最大のお得額ですが、あんしん保証パックに未加入で20,000円の支払いをするのであれば、確実に損をしてしまいます。ちなみに、iPhoneへの機種変更と言えば下取りが定番ですが、ここ数年で、2年前発売のiPhoneの下取り価格が20,000円以下だった例はありません。

例えば9/15時点でiPhone 6からiPhone 7へ機種変更した場合、iPhone 6の下取り価格は900円×24回で21,600円です。

ura-softbank.hatenablog.com

また、過去には機種変更先取りプラグラムで損をするという話を記事にしたことがあります。実際問題として、機種変更先取りプラグラムに加入していても、通常下取りしたほうが得になるというケースもあります。

この矛盾が生じる理由は、現在のiPhone下取り価格にあります。

今までの傾向として、iPhoneを下取りに出せば、新しいiPhoneに変えても実質無料で維持費がほとんど変わりません。しかし、半額サポート for iPhoneでは、半額にする条件でiPhoneが回収されてしまいます。つまり、iPhone 8は半額(2年分残債免除)になりますが、次に購入する最新iPhoneの負担金がほぼ間違いなく発生します。

というわけで、2つ目の落とし穴は「劣化版下取りなのでは?」という点です。

1年以内に壊れたらどうなるのか

iPhone 0 : Asphalt 1
iPhone 0 : Asphalt 1 / siraf72

仮に1年以内に端末が壊れてしまった場合、機種変更しても残債は免除になりません。仮に20,000円払うとしてもです。13ヶ月目後以降でないと、iPhoneの分割支払金の残債は残ります。1年以内に壊れた、紛失した、という理由で機種変更する場合、新しいあんしん保証パックに加入していても、機種変更はかなり手痛い出費になります。

もちろん、修理すればいいと言えばそうなのですが、必ず修理ができるでしょうか?

紛失なら完全にアウトです。残り2年以上の残債が残ります。修理の場合にも、保証に入っていなければ高額な修理代金が請求されます。iPhone 7で38,000円位の修理代金です。そして、あらかじめ見越されていたかのように、あんしん保証パック with AppleCare Servicesはオプション料が税込み896円です。iPhone 6の時には税込み540円でした。

保証内容は充実していますが、356円値上げしています。毎月560円の値下げで保証料は356円の値上げです。お得感がどんどんなくなっていきます。

また、iPhoneは電話機です。毎日仕事で使っているなど、とにかくすぐに何とかしたいという時、多少お金がかかってもいいから、修理ではなく機種変更して欲しいという人もいます。1年以内に機種変更する場合、3年間の分割支払金の70,740円の支払いが残ります。何度も言いますがお得額はiPhone 8(64GB)で最大13,440円です。

というわけで、3つ目の落とし穴が1年以内の故障や紛失です。

注目すべき点とは何か

Pen and paper
Pen and paper / fschnell

ここまで読んだ人なら、半額サポートを利用したいと思う人はあまりいないでしょう。確かに半額でiPhoneが購入できるという謳い文句は魅力的に見えるのに、何故こんなに魅力を感じないのか、その理由は大きく2つあります。

1つは、半額の原資が下取りにある点です。

今までは、iPhoneを下取りに出して実質無料で機種変更するイメージでしたが、今回からは下取りで半額になるイメージです。実際ソフトバンクの下取り機種変更のキャンペーン名が「タダで機種変更キャンペーン」だった時期もあります。「半額をソフトバンクが負担します」というより「半額は下取りで回収します」と言われたほうが、ユーザーとしてはしっくりとくるのではないでしょうか?

もう1つの理由が、4年縛りです。

もちろん、私が言うまでもなく「4年縛りが問題だ何て言われなくてもわかるよ」と思うかもしれません。しかし、4年縛りの問題の本質は、実質負担金や月月割ではなく、本体代金です。ソフトバンクでは機種代金を丸々負担するわけではなく、月月割や下取りなどによる割引サポートが入ります。

しかし、10万円するiPhoneを購入するなら、実際に10万円の請求は存在しているわけです。途中解約などをすれば、当然残りの残債は支払わなければなりません。4年縛りになることで実質負担金は半額になりますが、分割支払金も半額になります。つまり、なかなか10万円の残債が減りません。iPhone 8(64GB)なら、本体価格は94,320円です。通常2年で支払いが終わるところが、2年経っても47,320円の分割が残ります。これは大きなリスクです。

しかし、実際の負担額は毎月560円しか安くなりません。これって割に合わないと思いませんか?本当に注目すべきは560円の半額ではなく47,320円の負債のほうなのだと思います。

これが4つ目の落とし穴です。

結論。私はオススメできない

No Photos
No Photos / planetc1

もし、私の家族が半額サポートの説明で魅力を感じてしまったら、こう言います。

「iPhone半額サポートの割引額は月々560円、今までの下取りキャンペーンと比べて割引が半額になっているよ?でも、条件を全て満たさないと残債は47,320円残るよ?修理とかで47,320円払う位なら2年分割で560円払うだけで2年の保証が付くよ?しかもその場合、iPhoneを下取りに出してもっと安くできるかもしれないよ?じゃあ逆に半額サポートを使う理由って何?」

その上でこう言うと思います。

「実際半額サポートで購入した人と、2年分割で購入して縛りがなくなった人と、2年後にどちらのユーザーに有利なキャンペーンを展開すると思う?辞めると47,320円の負債を払うユーザーを優遇する必要はないけど、2年後に縛りが無くなるユーザーは他社に移るかもしれないからキャンペーン使ってでも引き止めるよね?2年後どっちのユーザーになりたい?」

auでも同じようなキャンペーンをiPhone 8から展開するようですが、キャンペーンの原資は同じく下取りです。ソフトバンクでもauでも、2年後の結果は同じかなと思いますので、事前にキャンペーンの本質を理解しておくことをお勧めします。

最後に蛇足ですが、今回の半額サポートに関しての規約を紹介しておきますので、興味ある人は見ておくといいと思います。

内容を細かく説明しませんが、ここまで不測の事態に対応できませんを連呼した規約は珍しいのではないかと思います。ちなみに半額サポートというキャンペーン名以外では一言も「半額」という言葉も出てきませんし、下取りによるお金を利用するという点についても強制的に同意させられます。その上で内容の変更などについては全て了承いただくという内容になっています。

もう2年後のクレームをとことん想定した規約なんだろうなと、読んでいただければ理解できるかと思います。何故これをマスコミが叩かないのかはわかりませんが、事前に内容を理解し、プラン内容で失敗しないことを望みます。

新規契約や機種変更をするなら、店頭よりもオンラインショップのほうが、頭金(相場5,000円~10,000円)がかからないため、安く購入することができます。

公式:ソフトバンクオンラインショップ

ドコモオンラインショップでは、頭金(相場5,000円~10,000円)以外にも事務手数料(2,000円もしくは3,000円)もかかりません。

公式:ドコモオンラインショップ

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