ウルトラギガモンスター+の開始に伴い、「ミニモンスター」という料金プランも開始されました。
データが使い放題のウルトラギガモンスター+がヘビーユーザー向けなら、ミニモンスターはライトユーザー向けという立ち位置のようです。しかし、そもそもソフトバンクではライトユーザー向けの「おてがるプラン」というものがありましたが、2018年9月5日をもって新規受付終了、10月31日をもって機種変更の受付も終了してしまいます。
「新しくミニモンスターができたからおてがるプランは終わりますねー」ということなのでしょうが、これには「ちょっと待て」とツッコミを入れたくなりました。今回は「料金プラン改変のリスク」と「ミニモンスターっておてがるプランの下位互換じゃね?」という話です。
おてがるプランってどんなプラン?
おてがるプランは1GB~3GBで料金が段階的に上がるプランで、プラン料金が安い代わりに端末代の月月割が付きません。
ソフトバンク:おてがるプラン
おてがるプラン専用データ定額は1GBまでなら1,480円、2GBまでなら2,480円、3GBまでなら3,480円です。初めてのスマホなら次に機種変更するまでずっと1,000円割引が利きますが、そうでなくとも1年間は1,000円割引が入ります。
ソフトバンクのスマ放題プランでは、2GB3,500円、5GB5,000円なので、データ通信をあまり使わないのであれば、お得になりそうです。ちなみに、スマホの月月割が付かないのが難点ですが、ミドルスペックの機種にすれば端末代もそれ程高くはなりません。
例えば、HUAWEI nova lite 2なら機種代金は30,720円です。
現在は4年分割の48回払いもできますが、端末代金が安いので2年分割で契約したとします。従来のライトユーザー向けであった「スマ放題2GBプラン」と「おてがるプラン」で比較をしてみます。
スマ放題2GBプラン
- スマ放題:3,000円(2GBプランはスマ放題ライト選択不可)
- データ定額2GB:3,500円
- おうち割:-500円
- 分割支払金(24回):1,280円
- 月月割:-600円
- 合計:6,680円
おてがるプラン
- スマ放題ライト:2,000円
- データ定額:1,480~3,480円
- おうち割:-500円
- 分割支払金:1,280円
- おてがるプラン専用割引:-1,000円
- 合計:3,260円~5,260円
スマホからの機種変更の場合、おてがるプラン専用割引が1年後になくなりますが、それでも月額4,260円~6,260円で使えます。機種代込みでこの値段で使えますが、ライトユーザーだけど毎月7,000円~8,000円位支払っているという人も多いのではないでしょうか?
おてがるプランは、人によっては良いプランになり得ると思います。しかし、そのおてがるプランがなくなってミニモンスターが始まるわけですが、ミニモンスターはおてがるプランの代替としては扱いにくいプランとなっています。
ミニモンスターってどんなプラン?
ミニモンスターはおてがるプラン同様、データ通信量(GB数)に応じて段階的に料金が上がります。
家族がウルトラギガモンスター+に加入していれば、ミニモンスター契約者も家族カウントされます(ミニモンスター対象者は割引されないがウルトラギガモンスター+対象者の家族割が増額される)。
ソフトバンク:ミニモンスター
おてがるプランは1~3GBまででしたが、ミニモンスターは1GB、2GB、5GB、50GBで刻んでいきます。この時点で、すでにライトっぽさを感じさせないですね。
ちなみに料金はどうなるのか?ここでも機種はHUAWEI nova lite 2、2年分割で「おてがるプラン」と「ミニモンスター」で比較してみます。
おてがるプラン
- スマ放題ライト:2,000円
- データ定額:1,480~3,480円
- おうち割:-500円
- 分割支払金:1,280円
- おてがるプラン専用割引:-1,000円
- 合計:3,260円~5,260円
ミニモンスター
- 通話基本プラン:1,500円
- データ定額ミニモンスター:2,480~6,980円
- おうち割:-1.000円
- 分割支払金:1,280円
- 1年おトク割:-1,000円
- 合計:3,260円~7,760円
さらに、初めてのスマホであれば、「ガラケー→スマホ割」で、12ヶ月間1,980円割引が入ります。パッと見上限が上がっているように見えるだけで、それ程違いがないと感じるかもしれません。
しかし、ミニモンスターには、おてがるプランの代替になり得ない理由があります。
ミニモンスターのデメリットは何か?
一見すると、ミニモンスターとおてがるプランの最低額は同額ですが、おてがるプランと比較していくつかのデメリットがあります。
①通話は有料
おてがるプランはスマ放題ライトプランなので、5分以内の通話なら固定電話へも他社携帯へも、何度かけても無料です。
しかし、ミニモンスターの通話基本プランは固定電話や他社携帯だけでなく、ソフトバンク携帯電話への通話も30秒20円の通話料金が発生します。スマ放題ライトのように5分以内の通話を無料にしたいなら、500円のオプション料金がかかります。
ミニモンスターは実質500円値上げしているようなものです。
②通信量の上げ幅が大きい
おてがるプランの場合、1GB以内で1,480円ですが、2GBで2,480円、3GBで3,480円になります。
単純に1GB増える毎に1,000円上がるので、わかりやすいプランだと思います。一方、ミニモンスターの料金の上げ幅はちょっと複雑です。
- 1GBまで:2,480円
- 2GBまで:4,480円
- 5GBまで:5,980円
- 5GB超で:6,980円
1GBを超えた時点で料金は2,000円上がります。2GBを超えるとさらに1,500円上がります。おてがるプランなら2GBを超えて通信しても2,000円しかあがりませんが、ミニモンスターで2GBを超えると料金は3,500円も上がります。
上記のように、おてがるプランと比べるとミニモンスターは料金が上がりやすいプランとなっています。
③3GBを超えても低速にならない
おてがるプランは3GBまでの段階性プランですが、データ通信が3GBに達すると速度制限がかかります(+1,000円/GBで追加可能))。
一方、ミニモンスターは5GB超の6,980円になるまで、速度制限がかからず料金が上がってしまいます。毎月1GB以内に抑えられればいいかもしれませんが、ちょっとでも超えれば料金が大きく上がってしまいます。
特に1GBを超えた時点と2GBを超えた時点での上げ幅が大きいので、料金が跳ね上がりやすいというデメリットがあります。
ライトユーザーが嫌がることとは何か?
ミニモンスターはおてがるプランと比較すると、料金が上がりやすいプランだと言えます。
ところでスマ放題の2GBプランやおてがるプラン、ミニモンスターは、データ通信をあまり使わない人、いわゆるライトユーザー向けのプランと言われています。
そもそも、ライトユーザーが最も嫌がることとは何でしょうか?
それはおそらく、「スマホの料金が高くなること」だと思います。ライトユーザー向けのプランであれば、「うっかり料金が上がってしまう可能性」は潰して欲しいと思う人が多いと思います。
だからこそ、使い過ぎた月に速度制限がかかっても、我慢しようという人も多いのではないでしょうか?おてがるプランが1GB超えで1,000円、2GB超えで1,000円上がってしまいますが上げ幅は2,000円で収まります。
しかし、ミニモンスターの場合、上げ幅が4,500円と大きく、これを防ぐには自動通信も含めたデータ通信を常に抑えなくてはいけません。データを使う人はギガモンスター+へ行け、という事なのかもしれませんが、ユーザー視点のプラン展開とは言えないと思います。
現在は料金プランも多彩になり、契約内容も複雑になってきていますが、ソフトバンクはデータ通信使い放題の「ギガ使い放題キャンペーン」など、他社が追随していない魅力的なプランも展開しています。
おてがるプランも、他社と違ってデータ上限幅が低く、料金が高額になりにくい、魅力的なプランでした。それだけに、短期で終わってしまったのは残念です。今後も魅力的なプランを出していってほしいと、期待しています。
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