元ショップ店員だけが知ってるソフトバンクの説明書

ソフトバンクで働いていた私が賢くお得に利用する方法をお伝えしています。

「2年縛り」と「4年縛り」は中身が違う。総務省はこの問題どうするの?

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ソフトバンクやauによるスマホの「4年縛り」が消費者の選択を縛ると問題になっていますが、2年契約が4年契約に変わったわけではありません。

正確に言うならば、「2年契約の縛りがある上に4年縛りもある」という状態になっています。2年契約の4年縛り、今さら聞けない2年契約と4年縛りの違いについて解説します。

これを読めば「2年経っても違約金がかかる理由」や「2年縛りや4年縛りの何が問題なのか」がわかります。

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2年契約は基本料の縛り

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2種類の見積もりの違い

2年契約の話の前に、まずは私が出したソフトバンクの料金プランの見積もりを見て頂きたいと思います。

  • 通話プラン:4,200円
  • 定額オプション:1,500円
  • データ定額50GBプラス:5,980円
  • 消費税:934円
  • 合計:12,614円

※オプション料及び機種代金は別です。

実際はこれに保証などのオプション料や機種代金が乗っかるので、かなり高めの料金設定に見えると思います。

通話プラン4,200円というのはソフトバンクの基本料のようなものですが、定額オプションを付けなければ通話料は別途かかります。通話プランという名前は付いていても、これには通話料金は含まれていません。もちろんデータ定額も別途かかるので、「ソフトバンクは基本料だけで4,200円も取るのか」という話になります。

ですが、実はこれ2年契約を結ばない時の料金プランの見積もりなのです。

次に2年契約での見積もりを出してみます。

  • 通話プラン:1,500円
  • 定額オプション:1,500円
  • データ定額50GBプラス:5,980円
  • 消費税:718円
  • 合計:9,698円

だいぶ料金が下がりましたが、その理由は「通話プラン:1,500円」の部分です。基本料金が2,700円も下がった理由は「2年契約を結んでいる」からです。

2年契約とは「2年間契約を続ける条件で基本料を大幅に値下げする契約」なのです。1カ月に2,700円ということは2年間で64,800円、税込みで69,984円も変わってきます。

2年契約とは

2年契約を結ぶことによって基本料金は大幅に下がります。

その代わり、2年以内に解約もしくは料金プランの変更をすると、違約金が発生します。違約金は税込みで10,260円なので、高いと感じる人が多いと思います。

2年契約は2年間の契約なので、2年後に解約をすれば、違約金はかかりません。これだけなら「2年間安くなって良かったね」で済む話ですが、問題は「2年経ったらどうなるの?」という話です。

そもそもスマホは2年ピッタリで持つのを止めるようなものではないので、通常は2年経っても契約し続けます。それでは2年経った後、2年契約はどうなるのでしょうか?

  1. 2年経ったので、その後は4,200円の基本料金に戻る。
  2. 2年経ったので、その後は基本料金1,500円のまま違約金はかからなくなる。
  3. 2年経ったので、自動的にまた2年契約で更新され、また2年以内に解約すると違約金がかかる。

②が正解ならいいのですが、正解は③です。

基本料は2年経っても元に戻りませんが、それは自動的に2年契約を更新するからです。それから更新ということは、そこからまた2年契約を結ぶので、2年以内に解約すると違約金が発生します。

2年契約の問題点

スマホを解約もしくは他社に乗り換える時、更新のタイミングピッタリに合わせないと、何年契約をしていても違約金が発生します。基本料が安くなる代わりに、ずっと更新月に縛られるわけですね。

これが「2年縛り」と言われているもので、2年経ったから違約金が発生しないというのは間違いです。

2年契約の問題は、「更新月のタイミングでないとソフトバンクの解約がしにくいため、消費者が通信事業者を自由に選択しにくい状況にある」ことです。現在、更新月は25~26ヶ月目の2ヶ月間のタイミングと、1ヶ月間延長されていますが、それでも2年に2カ月の短いタイミングを逃すと、違約金が発生してしまいます。

※更新月については総務省からの指導で24ヶ月目~26ヶ月目の3カ月間に延長される見通しですが、やはり根本的な解決に放っていないと思います。

4年縛りは端末の分割の縛り?

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2年縛りの次は4年縛りが騒がれていますが、実は2年契約とその内容は全く違います。

2年縛りは「2年使うことを条件に基本料を割引く契約」ですが、4年縛りの4年は基本料とは関係ありません。ソフトバンクスマホユーザーの多くはスマホを分割で購入しますが、支払期間は2年間が一般的でした。

ここまでの話でピンときたかもしれませんが、現在はスマホを4年分割で組むのを勧めているショップが多いようです。「スマホを4年分割で購入するから4年縛りなんだな?」と思うかもしれませんが、その通りです。分割の支払期間が長いので、4年以内に解約すると分割支払金が残ります。

ただ、この4年縛りの問題はもうちょっと複雑です。

複雑にさせている原因が、ソフトバンクの「半額サポート」、auの「アップグレードプログラムEX」という契約内容です。

4年分割だけど4年間も払わない!?

単純に2年分割から4年分割に変わっただけなら、毎月の負担が半分になるだけで、トータルの支払総額は同じです。それなら「2年分割の方が、縛りが短いからいいや」となる人も多いのではないでしょうか?

しかし、ソフトバンクやauでは、2年分の分割を支払った後に機種変更すれば、残り最大2年分の残債を免除するプランを発表しています(端末返却など条件有り)。 このプランをソフトバンクでは「半額サポート」、auでは「アップグレードプログラムEX」という名前で提供しています。2年経ったら、今のスマホを返却して、残債を免除できるので、実質半額で機種変更できます。

4年縛りとは?

半額サポートもしくはアップグレードプログラムEXで機種を購入すると、2年後に残債を免除して機種変更が可能です。ずっと、ソフトバンクもしくはauを続けて契約していくのであれば、半額で最新機種に変更できるので、魅力に感じる人もいるかもしれません。

しかし、一度「半額サポート」や「アップグレードプログラムEX」に加入してしまうと、解約が非常にしにくいので、そこが問題になっています。4年縛りと呼ばれている根拠は端末の4年分割ですが、実際には半永久的な縛りではないかと指摘する声もあります。

特に酷いのが適用条件で「次回機種変更後も同等プランに加入する」という条件が付いていた点です。

一度、半額サポートやアップグレードプログラムに加入してしまうと、次回も同じ4年縛りの契約を強要されていました。しかし、この条件については公正取引委員会から独占禁止法に抵触すると厳しい指摘があり、ソフトバンクau両社とも条件から外しています。

それでもきつい縛りになるという点は、あまり改善されているとは言えません。

半額の条件があまりにも厳しすぎる

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携帯ショップやCMなどでは、4年縛りのメリットばかりを伝えていますが、確かに2年後に機種変更するならば半額で端末が使えるのはメリットに感じるかもしれません。

それではもし2年後に機種変更ではなく、他社に乗り換えたいとなった場合、違約金はかかるのでしょうか?2年縛りの違約金は税込み10,260円でしたが、それを大幅に超える違約金がかかる可能性があります。

ここでは、一例としてソフトバンクのiPhone Xs(256GB)を半額サポートで購入し、2年後に他社に乗り換える時の違約金を試算してみます。

機種代金残債:2,850円 × 24ヶ月 = 68,400円

機種代が半額になるのは「次もソフトバンクで機種変更」というのが大前提となります(auも同じです)。そのため、他社に乗り換えた場合、136,800円もするiPhone Xsの半額分、68,400円もの残債の支払いが発生します。かなりヘビーな違約金ですが、4年縛りとは別に2年縛りもあるので、更新月でなければ別途10,260円の違約金も発生します。

また、他社乗り換えには予約番号の発行手続きが必要で、これも手数料3,240円がかかります。乗り換え先の通信事業者でも、新規契約手数料3,240円がかかります。

また、解約した月のソフトバンク月額料金ですが、日割りにはならない上、光セットなどの割引きも解約した月にはなくなります。乗り換え先の初月の月額料金もダブって請求が来る点まで考慮すると、乗り換えした月の通信量はいったいいくらまで上がるのでしょうか?

冗談でも何でもなく、解約するにあたっての総費用は10万円を超えてくる可能性もあります。

「最大半額」という餌につられて、「もしも解約したら10万円くらいかかるかもね」というリスクを背負う訳ですね。これじゃ余程のことが無い限り、ソフトバンクやauから乗り換えようなんて思えないのではないでしょうか?

端末返却という大きなリスク

「半額サポート」や「アップグレードプログラムEX」の縛りは端末代金の残債だけではありません。

ソフトバンクもauも「次回機種変更時に端末の返却」を残債免除の条件に含めています。「それじゃ4年も分割を組まされた上に、購入ではなくてリースじゃないか?」と思うかもしれませんが、正にその通りです。

4年も分割で縛っておいて、端末の所有権は自分にはありません。そして、この「端末返却」という条件も、大きなリスクを背負う結果となります。例えば機種が損傷していた場合、最大2万円の弁済金が発生します。

回収できない条件

  • 電源が入らない
  • 初期化されていない
  • ガラス・筐体が破損している
  • 液晶表示が異常/タッチパネルが動作不良
  • 筐体が変形している
  • 製造番号(IMEI等)が確認できない
  • メーカー保証が対象外(改造など)

参考:ソフトバンク機種が回収できない条件

電源が入らないような損傷なら仕方がないかもしれませんが、液晶の表示異常やひび割れ程度でも2万円の支払いが必要になります。ただし、ソフトバンクでもauでも、壊れた時の保証に入っていれば、弁済金は2,000円となります。

弁済金では解決しないケースもある

単純な故障程度であれば、弁済金(保証に入っていれば2,000円)を払いさえすれば、一応半額分は免除で機種変更ができますが、弁済金を払っても解決できないケースもあります。

まず、問題になるのが「盗難、紛失」です。

スマホを無くしてしまうと、機種回収ができないので、2年分の残債は丸々残ってしまいます。半額サポートやアップグレードEXを利用するなら「スマホは絶対に無くしていけない」わけですね。もし、無くしたら7万円近い残債が残ると言われると、紛失は本当に怖いですよね。

また、損傷に関しても、「車で踏まれて粉々になってしまった」というような激しい損傷の場合、これも弁済金では解決しません。

そして、これら紛失や激しい損傷のリスクは、実際いつ起こるかわからないトラブルです。当然、2年経つ前に起こる可能性もありますが、例えば半額サポートで契約して半年後に紛失なんてしたら、残債は3年半分、iPhone XSなら10万円を超える残債が発生する可能性もあるわけです。

4年縛りで分割の契約期間が長い上に「端末返却」というリスクまで背負うので、よく考えてみると4年縛りのリスクがどれだけ大きいかが分かると思います。

縛り無しで辞められるタイミングを考えてみる

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2年縛りはそのまま継続で、4年縛りも発生しているので、違約金を払わずに辞められるのは「2年縛りの更新月のタイミング」で「4年縛りを外した状態」でなければいけません。実際にどうやったら違約金無しで解約できるのかを考えてみました。

次の機種変更は前提条件

4年分割を組んでしまったのであれば、まずは2年分割で機種変更をしなければ4年縛りが外れません。端末回収と次回の機種変更は絶対条件なので、まずは2年後に機種変更をします。

もちろん、ここで半額サポートやアップグレードプログラムEXを利用したらまた4年縛られるので、半額にならなくても2年分割で機種変更しなければいけません。新しい機種でも2年間の分割なので、初回の機種と通算4年間契約を続けます。

分割の支払いが終われば4年縛りは解除なので、後は更新月のタイミングまで待ちます。更新月のタイミングがいつ買いによりますが、48カ月~72カ月のタイミングで縛り無しで解約できるタイミングが来ると思います。

かなり長いですね。

一括を視野に入れるなら

分割契約前提で考えると、中々ソフトバンクやauの違約金免除での解約はやってきません。そもそも、次回の機種変更までは縛られているわけですから、当然と言えば当然です。

もし、次回の機種変更を一括で払ってしまえば、分割の縛りは2年で終わります。これなら2年~4年の間に違約金免除での解約が可能ですね。どちらにせよ、一度4年縛りで契約してしまうとかなりの縛り、リスクが伴うので、契約は慎重に行うのがいいと思います。

新規契約や機種変更をするなら、店頭よりもオンラインショップのほうが、頭金(相場5,000円~10,000円)がかからないため、安く購入することができます。

公式:ソフトバンクオンラインショップ

公式:ドコモオンラインショップ

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