元ショップ店員だけが知ってるソフトバンクの説明書

ソフトバンクで働いていた私が賢くお得に利用する方法をお伝えしています。

ヤマダ電機で抱き合わせ販売「Nintendo Switchが欲しいならSoftBank Airも一緒に購入すれば買えるよ!」って問題ありでしょ。

f:id:urasoftbank:20170809222429p:plain

Nintendo Switchの品薄により、転売や抱き合わせ販売などが問題になっているようですが、ヤマダ電機では、Nintendo Switchを購入する際、SoftBank Airを契約すると購入権を得られるという、抱き合わせ販売を斡旋するケースが頻繁にあったようです。

早々にヤマダ電機から謝罪文が展開されていますが、その内容について知人から質問がありました。「抱き合わせ販売って何?何か問題なの?」という点と、ヤマダ電機が何言っているのかわからないという点についてです。

知人のように、謝罪文を見て素直に納得できるという人のほうが少数派なのでは?と思います。今回はヤマダ電機の抱き合わせ販売の内容、問題点、謝罪文の何が問題なのかについてまとめてみました。

スポンサーリンク

ヤマダ電機の抱き合わせ販売の内容

f:id:urasoftbank:20170809224543p:plain

Nintendo Switchが欲しいという人にとっては、品薄状態なのは周知の事実です。その為店舗によっては抽選会を開いたり、人によっては転売から購入したりと、様々な手段で購入をする必要があります。

ヤマダ電機では「単体販売の在庫は無いが、ネット開設すれば購入権を得られる分の在庫があるので、ネットを申込みしないか?」という案内をする店員がいたようです。 普通にNintendo Switchだけが欲しいという人には売れないが、ネット(ツイートから見るにSoftBank Airの模様)契約をすれば在庫があるよ、という意味にとれます。

しかもこれ、SoftBank Airを契約すると特典でNintendo Switchがもらえるという話ではないですよね?単純に定価で買えるという話なので、お得感は全く感じられません。

抱き合わせ販売の何が問題なのか

Salesperson + customer - Camera Action Digital
Salesperson + customer - Camera Action Digital / avlxyz

ヤマダ電機の何が問題なのかの前に、ざっくりと「抱き合わせ販売」について解説します。

人気があって品薄な商品Aがあった場合、全員に在庫が行き渡りません。そこで人気のない商品Bとセットでなら購入できますよという販売手法を取れば、「商品Aが手に入るなら仕方がないな。」と、セットで購入する人もいます。同じ量の在庫を販売するなら、セット販売した方が企業は利益が出ます。

しかし、そのような売り方をされると、消費者は必要のないものを強制的に売りつけられてしまいます。このような販売手法を取られてしまうと、消費者側は必要のないものを強制的に購入するという不利益を受ける点が問題になります。そこで公正取引委員会では、このような販売手法を「抱き合わせ商法」として禁止しています。

ここで問題となるのは、

  1. 購入意志のないものをセットにしている
  2. セット販売以外の選択肢が実質的にない

上記の2点となります。

ただし、①②の両方の条件を満たさないのであれば、「抱き合わせ販売」とはなりません。

例えば、Nintendo Switchを購入する時にSoftBank Airも契約すると1万円の値引きがつく、というキャンペーンを行っても、Nintendo Switch単体での購入も選択肢として選べるのであれば、これは抱き合わせ販売とはなりません。ただしこの場合も、1万円の値引きはいらないからNintendo Switchだけ欲しい場合には在庫がないと言われると、抱き合わせ商法となります。

今回、ヤマダ電機店員の対応については、Nintendo Switch単体での購入ができません。その時点で抱き合わせ販売となります。また、SoftBank Air自体が製品単体の購入ではなく2年縛り(分割は3年縛り)の月額料金が発生する契約なので、かなり悪質と言われても仕方がありません。

おうちのWi-Fi SoftBank Air (ソフトバンクエアー) スマホもパソコンもゲームも使い放題 | インターネット | ソフトバンク

謝罪文の何が問題なのか

f:id:urasoftbank:20170809215341p:plain

今回の事例についてはtwitterでの拡散効果の影響か、比較的早くヤマダ電機から謝罪文が公開されています。内容を見て自分自身ちょっと驚いたので、8/8時点のお知らせを挙げておきます。

「Nintendo Switch」の販売に関するお知らせ

当社では、本年6月よりゲーム機「Nintendo Switch」及びWiFi接続機器「SoftBank Air」の販売促進策として、任天堂株式会社、ソフトバンク株式会社と共同で、「Nintendo Switch」及び「SoftBank Air」を同時に購入していただいた方に、「Nintendo Switch」用のソフトをプレゼントしております。

先日一部店舗において、「Nintendo Switch」を単品で購入していただくことはできないが、「SoftBank Air」とセットであればご購入いただけるので、「SoftBank Air」の購入をお勧めするとの不適切な説明を行った店員がいるとのご連絡がお客様からございました。この点につきましては、当社の店員に対する指導が十分でなくお客様にご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。当社はこのような販売方針を一切認めておりませんので、お客様のご理解をよろしくお願い申し上げます。

当社はお客様のご連絡を真摯に受け止めて、コンプライアンス体制をより一層強化し、店舗への指導を徹底してまいります。

「Nintendo Switch」の販売に関するお知らせ |ヤマダ電機 YAMADA DENKI Co.,LTD.

まず、SoftBank AirとNintendo Switch同時購入でソフトプレゼントというキャンペーンは、「抱き合わせ販売」とはなりません。同時に購入してプレゼントが貰えるというのは消費者にとってメリットとなります。

しかし、今回の話ではソフトプレゼントという話は一切なく、同時購入で「購入権」が得られるという点が問題になっています。文章の最初がキャンペーン内容についてという点で、早くも真摯な態度とは程遠いと思ってしまうのは自分だけでしょうか。

そして、今回の販売手法を行っているのは店員の判断で、店員への指導が十分でないという点について謝罪をしています。「当社ではこのような販売方針を一切認めておりません」ということで、お客様はその点理解をしなければならないようです。

結果として、コンプライアンス体制の強化と店舗への指導徹底をするという事で締めくくっていますが、具体的に何をするのか全くわかりません。

まず、今回の事例については店員の判断で行なったというスタンスのようですが、さすがに無理がないかと思います。全国に店舗展開しているヤマダ電機で、1店員のみが問題行動を起こしたというのであれば、まだ議論の余地はあります。しかし今回は、複数の店舗で同様の事例が見つかっているようです。「百歩譲って店員の判断だとしても、伝え方に問題がありすぎませんかね?」何故、そのような販売手法があちこちで発生したのかについての疑問が全く解消されていません。

そして、ヤマダ電機がそのような販売手法を認めていないという点を消費者が知りたいわけではありません。こちら側が知りたいのは、そのような販売手法があったのかどうか、何故そのような事態になったのか、今後どのような形で謝罪、改善を行っていくのか、という点ではないでしょうか。これらについては結局、「店員がやったことなので今後はコンプライアンス気を付けますねー」程度の情報しか入ってきません。

そして、現在Nintendo Switchを欲しがっている消費者からすれば、結局SoftBank Air購入無しでもきちんとNintendo Switch購入ができるのかどうかが最も重要ではないでしょうか?抱き合わせ前提で抱えていた在庫は結局どのように販売するの?という点についても全く触れていません。

厳しい言い方をしてしまうと、「ヤマダ電機は今回起きた問題に対して、全く何も対策を取らないのか」と、言われても仕方がないような謝罪文を掲載しています。そして最後に、私からみてどうしても気になる点について、何も触れていないモヤモヤも挙げておきます。

今回の記事をみるとヤマダ電機とその店員の話のように見えますが、その店員というのはヤマダ電機の社員、もしくはアルバイトなのでしょうか?SoftBank Airが絡むのであれば、ヤマダ電機店舗内に在中しているソフトバンク関連スタッフが行った販売手法なのではないでしょうか?

仮に自分が社員側当事者だとして、これってヤマダ電機販売員が行っていたのか、ソフトバンク販売員が行っていたのか、双方で連携して行っていたのかによって、その後の対応が全く変わってきます。

当事者でないので真偽のほどはわかりませんが、このような販売手法が今後発生しないようにと心から思います。